これまで紹介してきた多くの事例では、大規模な組織や企業で利用されている例や小規模でもビジネスを成功に導いている事例を中心に取り上げてきた。
今回紹介するこの事例は、従業員数100人規模の企業での成功事例である。業界を問わず、そして、事業規模を問わずビジネスに必要とされる要件を満たすことの重要性と4Dを利用することによる利点が何かについて感じていただきたい。
有限会社コート・ダジュール(茨城県つくば市)は、「フランス菓子工房 コート・ダジュール」をはじめとする店舗を経営するとともに、全国のデパートでの催事出店やオンラインショップなども手がけている。
店舗には平日1日あたり1200人、ピーク時には2000人もの人が足を運ぶ。店内にはしばしば来客の列がつくられる。この数字からは、もはや街の洋菓子店と考えることはできない規模である。 またオンラインショップでは日本国内のみならず海外からの注文もあることからもその知名度の高さをうかがえる。現実的に、全国にチェーン展開を行っている企業を除き、個人店としては洋菓子業界で屈指のビジネス規模であるという。また、100人以上もの従業員をかかえるとともに、海外からの見学者も訪れることからも、その確固たる基盤と知名度を感じることができる。
この成功は、商品のクオリティの高さが支持されていることはもちろんであるが、街の普通の洋菓子店とは異なる秀逸なビジネスセンスがあったからに他ならない。このビジネスをバックグラウンドで支えているシステムが4Dなのである。
この規模のビジネスを行う場合には、業界を問わず、多くのシステムを効率よく運用する必要がある。洋菓子業界の場合には、店舗でのレジ端末のほかに、製造部門では原材料の仕入れなどに関するデータ管理、そして、製品の発送やメンバーズカードとそのポイントの管理を含めた顧客管理、そして、オンラインショップのためのシステムなど、業務によって多くのシステムが必要とされる。現在利用していうる4D Serverおよび4D Clientで構築されたシステム導入のきっかけについて、中山満男代表取締役は語る。
「特に、市販されている専用レジでは、使い勝手に問題がありました。つまり、もちろんそれらは多機能ではあるのですが、不必要な機能が多かったり、コスト的に見合わなかったりしたのです。現在利用しているシステムでは、さまざまなデータを統合して活用できるので便利です。」
パソコン端末をレジとして利用することは、オーナーのみならず利用者の意思を反映させることが容易になるのはいうまでもない。それは、レジ専用に作られた端末ではなく、プログラムによりカスタマイズが可能なソフトウェアを利用するからである。コート・ダジュールが利用するシステムでは、レジシステムのみではなく、製造部門に関する管理機能や、顧客に関するデータも管理することを可能にしている。ほとんどの業務を集中管理させることが可能なシステムである。いくつものシステムを別々に管理する必要もなく、そのためのハードウェアを別々にそろえる必要もないので、無駄にスペースを使うこともない。 さらに、パソコンを端末として利用することで周辺機器の選択肢が増えるためシールなどの印刷に関しても、さまざまな印刷方法や種類を考えることができるようになり、業務の改善につながりやすくなったとも語っている。
「使い勝手については、まったく問題がありません。パソコンベースのレジ端末ですので、マウスを利用していますが、心配していた操作性についても問題ありません。」
導入当初はタッチパネルの採用も検討したが、作業内容と操作性を考慮して、キーボードとマウスを利用した方法を採用している。レジ担当者も操作にとまどうことはないという。
「コート・ダジュール本店」のほかにも市内にいくつかの店舗があるが、従業員の勤怠管理については、すべて本店で管理が行われている。 現在市販されているタイムレコーダーでは、一括してこの人数を処理できる機種が限定されてしまうが、すでにレジで利用されているバーコードリーダーを利用することで、システムを一元的に管理することを可能にしている。もちろん、データを出力することも容易であり、パソコン上で利用できるため、他のソフトウェアなどを利用した集計処理に柔軟に対応できる。特に、レジ端末上でもこの勤怠データがうまく利用されており、レジ担当と当日の出勤記録が結びつけられている。レジ端末上では、レジ担当者の一覧が表示され、担当者が自分の名前を選択し作業にあたるわけだが出勤していない担当者の氏名は表示されない。100名以上の従業員がいるため、不必要にデータを表示させるとデータを選択すること自体に時間がかかる。このシステムでは必要最小限の表示が自動的に行われる。
ビジネスは、つねに前進し続けてるものである。それを支えるシステムもそれに追随できる必要がある。つまり、柔軟な開発が可能かどうかが問題となる。効率のよい開発を行うことが可能であるかが、システムの良し悪しをきめるひとつの基準となりうる。4D製品の場合、RDBMSと開発環境が統合されているため、開発者にとっては、さまざまなツールのバージョンを管理することなく非常に効率のよい開発を行うことが可能である。このことは、ユーザにとっても短期間で期待した機能やシステムを手にすることにつながる。
コート・ダジュールのシステムでは、オンラインショップ用のWebサーバと店舗用のサーバ間で顧客情報を共有しているが、現行システムとしては、別のメールサーバを経由して店舗用のサーバとの通信でデータを利用している。今後さらに効率のよいデータ活用を行うために、この2つのサーバ間のデータ通信にXML Webサービスを利用することを視野においている。
このWebサービスは、異なるアプリケーション、異なるOS間の通信をSOAPプロトコルを通じてXMLを利用してデータの通信を行う方法である。この技術を利用することで、メールサーバを中継することなくダイレクトな通信が可能になるので、業務効率も向上させることが可能になる。このような新しい技術を取り入れやすいことも4D製品の利点といえよう。
コート・ダジュールがビジネスを成功させたひとつの要因として、顧客を非常に大切にしていることが細かな業務内容からうかがえる。
顧客には季節の折々に案内を送付する。大型チェーン店ではなかなか行き届かない細やかなサービスである。また、チェーン店や小規模な店舗では、事前予約が必要であることが多いバースデイケーキについても、当日予約なしで、お菓子のプレートに名前を入れて持ち帰ることができる。このようなマインドがシステム上でも活かされている。顧客を中心に考えて、トラブルに対しても柔軟に対応できるシステムを備えている。レジ端末上でポイントカードと連動した購入履歴をすぐに確認することができるので、その情報をベースにしてトラブルにもすぐに対応できる。
最高のサービスを提供するために、現在あるものに妥協しない、そのようなチャレンジマインドこそが、顧客の心をつかみ、成功につながっているに違いない。
そんな中山氏のマインドに応えることのできるシステム、そしてデータベース、それが4Dなのである。