近世古文書研究所
この近世古文書研究所のWeb サイト「近世こもんじょ館」は、江戸時代からの貴重な古文書のデータベースとして構築された情報サイトである。このサイトは主に研究者・大学関係者対象のデータベース公開を目的とし、史料目録や論文・文献目録の一覧が可能である。また、古文書には解読が不可欠であるが、データベースを公開することで解読作業のための人員確保と効率化が図られている。つまり、単純に解読したテキストが蓄積されるだけではなく、地元研究者のみならず遠隔地からの資料収集が可能となるとともに、研究者間での重複解読作業を避けることができる。単純な情報発信のためのサイトではなく情報収集のためのサイトでもある。現在も、日本各地からのアクセスがありそのデータ量と研究成果は日々更新され続けている。研究者以外からも家系図作成のための資料としての利用の問い合わせもあるという。
古文書をデータベース化そしてWeb 公開するまでは、各研究者が個人レベルで所蔵・解読を行い研究資料として活用していた。しかし解読作業の重複による作業の効率化ができず、膨大なデータを体系的にうまく活用することができない状態であった。そのため情報を共有することで解読・保存といった作業の無駄をなくすと共に、全国の研究者が資料を閲覧できる環境を整えることが必要とされた。このことにより、少なくとも資料のデータベース化が必要であったが、単にデータベースとして利用するだけではなく、web を利用して外部へ情報を発信することでの効果が期待された。そして4Dのデータベース機能とweb 機能を使用したシステムで、それを実現することができたのである。
古文書の画像データや現代の漢字表記にて解読した各種資料は現在のところ3000 点以上におよび、それをWeb上に公開している。通常、データベースをweb上に公開する場合にはデータベース部分とWeb サーバ部分を分離して開発する必要が多々あるが、4th Dimension をリレーショナルデータベースとしてだけではなく、そのWeb 機能を利用することで、データベースをそのままWeb に公開することが可能になる。このシステムのデータベースの機能として年号別検索、古文書名などからの検索が可能であり、必要充分な機能を備えている。Web の機能としては、ユーザからのリクエストによりページを動的に作成し、保存されたデータを表示する。また、このシステムは1999 年より運用されているが、当時比較的ローコストで導入できたiMac をサーバマシンとして使用している。ローコストでWebサーバを構築できたのは、MacintoshそしてWindows 両方のプラットフォームをサポートする4Dならでは利点である。
開発を担当したホップスの工藤昌代氏は語る。「4D を使うことで、小規模でも実用的なデータベース兼Web サイトを構築することができました。あまり大きな団体ではなく小さなプロジェクトとして企画されたものですから、余計な開発コストと時間を抑えることができたのは非常にメリットでした。また、多くの方に閲覧していただけるようなページ作成に努めました。古文書に興味のある方、情報をお持ちの方からの多くのアクセスを期待しております。」このことは「お手軽」とは言えないまでも、4D のデータベース+Web サーバの機能を十分かつシンプルに使いこなすことで、開発者にとって時間的負担そして金銭的負担なく、本格的かつ実用に耐えうるweb 開発が可能であることのひとつの実例である。さらに4th Dimension の場合、クライアント/サーバでの開発・運用が可能であり、直接サーバマシンに手を入れることなく外部のクライアントマシンからのデータ更新作業はもとより開発までもが可能となる。このような開発段階での特徴をうまく活用することで、開発者にとって「フレンドリ」なツールとして4Dを利用することができるのである。
» 近世古文書研究所
南部家20万石の城下町であった岩手県盛岡市が拠点。
大学関係者、郷土史研究家などから構成される学術団体。
主に江戸時代の南部藩に関するの各種古文書の研究・解読を行っている。
http://www.hops.co.jp/komon/
» 開発:有限会社ホップス
http://www.hops.co.jp/