千葉県立成田国際高等学校では、図書貸出システムに4D によるシステムを利用している。このシステムの導入により学校内図書館運営が飛躍的に効率化されるとともに、図書館利用者増加にもつながっている。
この高校は普通科のほか英語科、国際教養科から構成され、学校名に含まれる「国際」にふさわしい多様なカリキュラムを展開している。アメリカ、オーストラリアなど多くの外国の高等学校への留学とともに多くの外国人生徒・教員を受け入れ、国際感覚を養う交流事業に力を入れている。とりわけ国際教養科では課題研究授業と称する図書館を利用しての教育にも重点が置かれ特徴的である。この授業では週2 時間ごと、年間を通じて同じテーマを追究し論文を完成させる。そのためのアーカイブとして図書館が利用される。それ以外の授業(保健体育)においても、論文を作成するための図書館が積極的に利用されている。また、ただ単に本を貸し出すだけにとどまらず、生涯を通して図書館を存分に活用できるようにするための利用教育にも力を注いでいる。この精力的な活動により県内外からの見学希望も多いという。
このように図書館利用が頻繁である以上、その処理は煩雑かつ多量な作業を要していたのは想像するのに難しくない。この状況を改善し管理上の負担を軽減すべく、2000 年4 月より4D によるシステムが導入された。このシステムは、タキオンのパッケージソフトウェア「まっくりぶ」を使用したシステムであり、開発環境かつWebサーバでもある多機能な4D のリレーショナルデータベースそのもの自体の機能を利用し成功している事例である。同校がこのパッケージソフトを導入した理由は、10年以上に渡る鍛え上げられた長年の実績とステータスに他ならない。このシステムは、バーコードとGUI による優れた操作性を活かした図書貸出システムである。貸出返却業務にはバーコードを利用したスムースな運用が可能である。実際に、バーコード導入による処理時間短縮が図書館を利用する生徒の増加にもつながった。機能的には図書館業務で必要な各種検索や各種リストの出力は当然可能である。
このシステムは現在、貸出用1 台、検索用1 台、管理者用1 台の合計3 台のMacintosh で運用されており、データの活用には表計算ソフトも併用している。将来的には他教室のWindows マシンも含め、校内LAN を利用したシステム拡張も視野に入れている。Macintosh /Windows 両プラットフォームに対応していることは4D によるシステムならではの特徴である。「バーコードによる貸出管理によって飛躍的に作業が楽になりました。また、蔵書管理も非常に合理的です」(坂元善典教諭)。
「4D を使用しての開発は、グラフィックな画面を作り込む場合に非常に楽です。レイアウトがとても簡単です」(タキオン・荘司雅彦氏)。このような開発者にとって開発しやすい環境であるからこそ、現場で使用するユーザにとっても使いやすいシステムやインタフェースをつくることが可能になるのである。
単純にデータを蓄積するだけでは、データベースとしての意味がない。データをうまく利用することで最終的にユーザにとって初めて意味のあるシステムとなることは当然ではあるが、その「データ」を「うまく」利用することができる前提として、データベースが使いやすくなければならない。ここでソフトウェアの善し悪しが決まるわけである。この場合、果たして使いやすいデータベースとは何か。4D のデザインモードは、とにかく直感的に開発ができるとともに、オブジェクト単位にメソッドを付着することができ、システム全体を把握しながら開発者は作業を効率的に行うことができる。
すなわちこのことは、ユーザにとっても使いやすいインタフェースの構築のしやすさにもつながる。ユーザにとって使いやすいシステムとは、わかりやすいシステムそのものである。それは開発者のテクニックによる部分も多々あるが、開発環境に依存するウェイトも高い。この4D によるシステム「まっくりぶ」は、さらに進化すべくユーザの要求を取り入れながらも、4D の開発上のメリットを十分に生かしていると言える。「学校図書館で誰でも簡単に操作ができたら・・・という要望にお応えします」(タキオン・荘司雅彦氏)。
(2001 年10 月)

