When the solution matters

4Dデベロッパ 成功事例 産業別マーケット カスタム開発 エンタープライズ/IT

NASA(アメリカ航空宇宙局)

NASA指揮官、ダニエル・ゴールディン氏によるコマーシャルテクノロジー「Agenda for Change 」の発表をきっかけに、NASA と産業界の関係は新しい時代に入った。この結果、商業的な可能性を秘める数々の技術プロジェクトを分類・管理し、ユーザがこれらプロジェクトを評価できる、強力かつユーザフレンドリーなリレーショナルデータベースを採用することがNASA のミッションとなった。

コマーシャル・テクノロジー戦略

クライアント/サーバデータベースの導入前、10 拠点に及ぶNASA のフィールドセンターでは、ワープロやタイプライターだけでペーパーワークをこなしていた。出版、特許申請、商品化のための膨大な書簡や文書は、プロジェクトごとに処理する必要があった。しかも、必要な情報は何百というファイルの中から取り出す必要があり、その管理に至ってはほぼ不可能な状況であった。

テクノロジーデータベースの構築にあたり、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークにある非営利コンサルティング会社、リサーチ・トライアングル・インスティテュート(Research Triangle Institute = RTI )のデベロッパおよびNASA のコマーシャルテクノロジー部門が採用したものが、4D Server である。4D Server は柔軟な開発言語を備えた、プラットフォームに依存しないクライアント/サーバシステムで、ユーザフレンドリーなインターフェースを提供する。RTI のコンピュータ科学研究者、サイモン・ライト氏は次のように説明する。「素晴らしいことに、これほど大規模なプロジェクトであるにもかかわらず、柔軟にしかも短期間でアプリケーションを開発することが可能なのです」。

革命的なインターネットソリューション

RTI ではクライアント/サーバシステムである4DServer を使用して、分散型広域ネットワーク対応のマルチユーザ、マルチサーバデータベース「TechTracS 」を開発した。NASA の各サイトでクライアント/サーバデータベースの処理が実行されると、4D Open とTCP/IPによりインターネット経由でワシントンDC にあるメインサーバとの通信が行われる。マスタデータベースの更新、追加、削除は自動受信により行われる。このクライアント/サーバシステムから提供される機能は、計測分析、ドキュメント自動化、書簡、フォーム、図表、電子メールなどで、さらにインターネットサービスとともにマルチメディア機能も提供される。

4D のモジュールである4D Write を使用し、フォームにデータベース情報を埋め込むことができる。効率的にプリントするため、バッチ処理用クライアントとして"AutoAgent"が使用されている。夜間にこのクライアントがデータベースの検索を行い、文書印刷や技術レコード更新を実行する。NASA ケネディ宇宙センターのジム・アルベルチ氏によると、4DWrite の導入によりスタッフの削減が実現したという。「4DWrite とAutoAgent の導入で、必要となるスタッフの数を減らすことに成功しました」。

インターネットソリューションと4D Server のクライアント/サーバ環境を統合することにより、業務管理者はDOS マシンからUNIX ワークステーションに至るまで、必要に応じてマシンを使用できるようになった。データフローは次のようになる。
1.データベースのプロジェクトを更新するために、ユーザがパスワード保護されたURL を入力する。
2.WebSTAR サーバと4D Client との通信が行われる。
3.4D Client 側でプロシージャを実行し、自動化したフォームをユーザのWeb ブラウザに返す。この時点でメインサーバである4D Serverからデータが取り込まれる。
4.ユーザはフォームに入力し、データを送る。データは配布されるまでの間、一時的にメインサーバに保存される。
5.4D Client /4D Open を介し、該当するフィールドセンターがメインサーバより更新データを取り込む。

プラットフォーム・インデペンデンス

RTI ではTechTracS をWindows 環境にも拡張した。TechTracS プロジェクトリーダーのスティーブ・モンテース氏は次のように述べる。「いくつかのフィールドセンターサイトをWindows 上の4D に移行したり、追加する作業は問題なく進むでしょうし、得策ともいえるでしょう。プラットフォームに依存しない4D によって、Macintosh 、Windows 双方のユーザから4D が利用されるようになれば、この分散型データベースアプリケーションの品質がさらに向上することは疑いの余地がありません」。

Web 経由のパートナーシップ

RTI はテクノロジーミッションの次の段階に向けてすでに動き出している。次の目標は、民間からもこれらの情報を利用できるような機能を追加し、産業界へ積極的に情報を売り込むことである。データを完全なものにするため、RTI では各企業に対してWeb によるTechTracS へのアクセスサービスを行っている。企業はこの情報にアクセスしてデータの検索、取得を行い、NASA との技術提携を考える上での判断材料にすることができる。パートナーシップが成立すると、企業はTechTracs の情報を利用し、それを事業に活かすことが可能になる。たとえば製品やサービスの新規開発や改善、新規事業の開拓、現状の製造工程の見直しなどである。

TechTracS

TechTracS の主なメリットは、最新のテクノロジーに合わせて拡張可能であるというところである。「TechTracs の成功の理由は、4D がNASA 側のプロセス変更だけではなく、電子情報産業の進化にも合わせてアプリケーションを拡張することを容易にできたことです」とモンテース氏は語る。最も重要なことは、調達、各種技術、パートナーシップに対する年間テクノロジー予算(120 億ドル)の行方をNASA が初めて管理したという点である。NASA 指令部コマーシャルテクノロジー部門のケビン・バーキネロ氏によると、「NASA はアメリカの政府機関の中で初めて、初期投資から産業界との協力関係に至るまで、自らが行った技術投資の成り行きを把握し、NASA 技術を管理する素晴らしいアプリケーションを獲得することができました。この分野初のコマーシャルテクノロジー管理システム、TechTracs によりNASA のプロクラムマネージャはミッションを完了すると同時に、技術の商業化をも成し遂げたのです」。


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