画像データベースは、学術分野、医療分野などの特定の分野のみならずさまざまな産業分野で利用し続けられている。
画像データベースは、かつては、特定の業界での利用に限定される場合が多かったが、現在ではOSに標準で組み込まれたツールや、市販されているさまざまなアプリケーションを利用することにより、画像管理が専門業界にとどまらずホビーユースとして利用するユーザにも手の届く時代となっている。
しかしながら、とりわけ専門業界では、ホビーユースとは異なるレベルでのプロフェッショナルな画像利用が必要とされ続けているのが現状である。
この事例では、データベースソリューションに4D製品を利用して長い歴史を持つ株式会社テクネの開発した画像データベースを紹介する。
株式会社テクネ(東京都渋谷区。以下テクネと略)では、官公庁や教育機関を中心にソリューション開発を手がけるとともに、画像処理を専門に行っている。特に、博物館などでさまざまな標本をデジタル情報化することにも携わっている。テクネが制作し、市販されているDVDメディアとしてはスペインのカンタブリア大学と共同開発した「先史人類の洞窟美術〜北スペイン編〜」がある。ここに収録された画像は静止画のみではない。立体物の全体像をインタラクティブに鑑賞できる仕組みを取り入れている。つまり、ユーザが求める角度から鑑賞が可能な画像が収録されている。
テクネが利用するテクノロジーは、Apple社のQuick Time VRなどの技術を利用して立体物の全周撮影画像を加工し、あらゆる角度からオブジェクトの画像を表示させることを可能にしている。ユーザは、マウス操作で画像を意のままにぐるりと回転させて、任意の角度からそれを見ることができる。
このデータベースソリューションでは、単純な静止画表示の機能だけではない。専用の撮影機材と専門の撮影技術を利用しない限り、このような高いクオリティのコンテンツを収録することは容易ではない。 まさに、プロの画像処理の技が生きていると言えよう。
このプロの技を最大限に活かし、撮影されたデータを効率よく引き出すことは、そのデータを管理するソフトウェアの機能性に大きく依存する。「画像」という言葉から広くデザイン分野が思い起こされるが、この分野ではかつてよりApple社の製品に根強い人気ある。4D製品は、このApple社の製品上で利用可能なソフトウェアであるため、画像関連ソリューションに対しても高い親和性を持つことができる。 またWindows上に関しても同じ技術が利用できることは4D製品の利点を特徴づけている。
もちろん、Apple社の製品との親和性だけが、テクネが4D製品を利用する理由ではない。高度なプログラミングを行うことによる実装する機能の選択肢の多さ、多様なユーザインタフェース構築の柔軟性などがあげられる。
つまり、4D製品はデータベースであるだけではなく、開発環境でもあるため、プログラミングによってさまざまな機能を実装することが可能である。市場にある多くの製品は、データベース自体と開発環境を別に用意しなければならない場合が非常に多いが、4D製品はそれらがひとつにまとまっているため、開発者にとっては効率のよい開発が可能である。
4D製品を利用する場合、画像をデータベースで扱うためには、画像表示には4D標準のピクチャフィールドを利用するほかにも、図形描画用のプラグインである4D Drawを利用したり、サードパーティ製のプラグインを利用して画像を扱う選択肢などさまざまな方法が考えられる。また、ワードプロセッサの機能を追加するプラグインである4D Write上で表示させるといった選択肢もある。
「先史人類の洞窟美術」での画像表示には、このような方法ではなく外部ファイルとしての画像を、4Dから画像ビューワを起動させて表示させる仕組みを取り入れている。つまり、ユーザ自身の使い勝手を配慮して、ユーザ自身が画像ビューワをいくつかの選択肢の中から目的や好みに合わせて選択する。画像ビューワの起動については、4Dから外部アプリケーションを起動させるコマンドを利用してコントロールしている。
また、この「先史人類の洞窟美術」では、収録コンテンツは静止画、動画を合わせて1000件以上に及ぶ。目的にあった画像や情報をわかりやすく、かつ、さまざまな角度から検索するためにカスタマイズされた検索用フォームを提供している。もちろん、検索速度も非常に高速である。
今後、テクネではWebを利用したソリューション開発についても視野に入れている。4D製品ではWebサーバ機能、XML、SOAPプロトコルを利用したWebサービス機能を利用することができるが、現在実装されている機能を更に発展させて、より便利な機能を追加したソリューションを構築しやすいことも4Dの魅力とも言えよう。
「他の開発ツールを利用することも考えましたが、使いやすさと求める機能の実現しやすさを考えるとやはり4Dですね。」(システム技術部 浜崎伸氏)
すぐれたソリューションをビジネスの軌道にのせるためにはどのような方法があるだろうか。
このようなDVDなどのメディアでデータベースを配付する場合には、ダブルクリックで 起動可能なアプリケーションの状態であることが望ましい。Windows上では、いわゆる実行形式のアプリケーション(拡張子exe)が最良の方法であろう。
このようなアプリケーションを作成するためには、コンパイルが必要である。コンパイルすることで、コードの実行速度が3倍から1000倍高速になる。これはインタプリタモードで実行されるソリューションとの違いのひとつである。また、コンパイルすることでソースコードが保護されることから、ビジネスソリューションとしてはコンパイルモードで実行させる場合が適していると言えよう。
コンパイルされたアプリケーションを配付する場合には、4D Runtime Single Userや4D Runtime Volume Licenseといった製品を利用してアプリケーションビルドを行う。
尚、コンパイルする必要がない場合には、4D Runtime Interpretedを利用する方法がある。この4D Runtime Interpretedを利用したソリューションは、無償で配付が可能である。